ナビスコファイナル
FC東京。さすがACLベスト4のチームを準々決勝で子供扱いしてくれただけのことはある。あの時のメンバーからカボレを中東移籍で欠き、石川直を故障で欠いている(長友も万全ではなかった模様)にもかかわらず、それらの穴を感じさせない戦いぶりだった。さすがに終盤は押し込まれたけど、あの川崎のプレッシャーを受けながらも最後までゼロに抑えた見事な勝利だった。
GK権田は、今シーズン開幕時ぶっつけでゴールマウスに立った選手。Jリーグでの実績は皆無で、当初は可愛そうなくらい何も出来なかった記憶があるけど、この日の堂々としたプレーぶりといったら感動的ですらあった。元々素質もあったのだろうけど、経験というのは選手を成長させるものなのだなぁ。ニューヒーロー&MVPの米本もそう。城福監督が率いた2007年のU17ワールドカップの日本代表で柿谷や浦和の山田直とチームメイトだったとはいえ、2009Jリーグ選手名鑑(サカマガ版)を見直してみると、米本に割かれていたスペースは標準よりも小さなものだった。開幕当初はそのスペースに比例するくらいの期待というか、ルーキーイヤーからここまで化けるとは思われてなかったはず。言葉は悪いかもしれないけど、これらの若い選手の起用というのは最初は実験だったと思う。レギュラーよりも実力が上回っていたからではなく(権田起用は生GKだった塩田がケガしたからという経緯もあったが)。そしてその実験は度々失敗することもあったと思う。だけどチーム(監督)はこのような実験を辛抱強く繰り返していき、若い選手はこの結果を勝ち取るのに十分な貢献をするまでに成長した。育てながら魅せながら勝ち取った優勝は素晴らしい、そしてやっぱりうらやましい。この日は午前中フットサルの練習があって、現地へ駆けつける前に一蹴りしにきたFC東京サポのメンバーに「ファイナリストという響きはいいですよね」なんて声を掛けたのだが、試合が終わった後はそうじゃないと思った。やっぱりファイナルで勝ってこそ素晴らしいのだと。
川崎フロンターレ。前半の谷口が抜け出しての権田との1対1、あるいはその直後のジュニーニョのどフリーでのGK不在のゴールへのシュートが普通に決まっていたら普通に勝っていたはず。FC東京にしっかりと研究されていてやり辛いところもあったと思うけど、それでも時折見せるシンプルなカウンターや中村憲剛の視野の広いプレー(スペースがないためかグラウンダーでのスルーパスではなく、パスが浮き球になってしまった分受けた選手のプレーが難しくなってしまいがちな感はあったが)でFC東京を脅かす。それと、個人で打開してしまう前の選手の能力は反則に近い。ただ、山岸の出番はなかったのかな。
先制ゴールとなった米本のミドル。解説者は「川崎のGK川島の準備が出来ていなかった」みたいなことを言っていた。つまりまだ打ってこないだろうと思っていたということなのだろう。他の実況でもこの位置から打ってきた!みたいなフレーズを耳にすることがよくあるけど、日本の選手というか日本サッカーの常識的なシュートレンジは世界と比べるとやっぱり狭い。崩してPA内に入らなくても、米本が打った位置くらいからのシュートが日常的なものになるくらいにシュートレンジを広げていくことが、日本のサッカーのレベルを引き上げることになるんじゃないかな、なんてことを思ったりした。
あと平山は本当に頑張る選手になったと思う。サッカープレイヤーらしくなったと思う。代表に呼ばれても全く違和感ない。
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