2006/07/14

ドイツワールドカップを振り返る

個人的なお気に入りチーム、ゲーム、ゴール、選手などをピックアップしてドイツワールドカップを振り返ってみたりする。

□お気に入りチーム

メキシコ、スイス、チェコ、イタリア

メキシコ、チェコはイメージ通りだったけど、やっぱり良かった(チェコはアメリカ戦のみの評価・・・)。スイスはどんなサッカーをするのかわからなかったけど、予想以上に組織的で、足元の技術もしっかりしていて驚いた。地元開催となるユーロ2008でも楽しみな存在だ。イタリアは自慢の守備はそのままに、攻撃も積極的に仕掛けていて、とてもバランスが取れていたと思う。

□ベストゲーム(順不動)

①アメリカ-チェコ(グループリーグ)

チェコのいいところが全開だった。アメリカは、グループリーグの残り2試合(イタリア戦、ガーナ戦)を見る限り、やはりなかなかの好チームだったといえる。そのアメリカに主導権を握らせず、完全にコントロールしてしまったこのゲーム。コレル、ロシツキーのゴールは、いずれも目の覚めるような素晴らしいものだった。組織と個々アイデアが絡み合ったチェコの魅力を存分に味わうことができた。その後は、コレルの負傷と選手層の薄さが響き失速してしまったが・・・。まぁ、そういうことも含めてその国の実力なのだろうけど、もっと長く見たかった。

②アルゼンチン-メキシコ(決勝T1回戦)

アルゼンチンを追い詰めたメキシコのパスサッカーが素晴らしかった。誰かが飛びぬけてすごい訳ではないけど、チームのみんなが動き、パスコースを作り、パスをつないでいく。確かに決定力が足りないのかもしれないけど、見ていて楽しいサッカーだったと思う。アルゼンチンは、パスがダメなら、個人技でと言うわけではないけど、テベスやメッシを入れることで、戦い方を変えてくるなど、見ごたえのあるゲームとなった。M・ロドリゲスのゴールも美しかった。

③ドイツ-イタリア(準決勝)

0-0で終わったとはいえ、スピーディーで濃厚だった90分間、互いに打ち合いとなった延長戦、そして終了間際の劇的な2ゴール。ドイツのとにかくストレートな攻撃サッカーと、リニューアルしたイタリアの攻撃サッカーのぶつかり合い。1試合120分間の使い方、交代を含めた14人の選手の起用方法を見ていると、イタリア(リッピ監督)のほうがちょっとだけ余力があった感じがした。イタリア-ドイツという対戦のイメージをいい意味でくつがえしてくれたゲームだったと思う。

□ベストゴール(順不動)

①玉田/日本

(ブラジル戦の先制ゴール)

ニアをぶち抜いた見事なゴール。直前の親善試合の出来の悪さを払拭して見せた。試合後、相変わらず空気の読めない、軽めのインタビューぶりにはハラハラした。

②センデロス/スイス

(韓国戦の流血ゴール)

センデロスの豪快な一発。ヤキンのFKのコース、スピードも完璧。競り合った韓国のチェ・ジンチョルとあれだけ激しく頭をぶつけておいて、両者ともわざとらしく痛がらないところが実に頼もしい。あれを見た後には、どんな接触プレーも可愛らしく見えた(?)。

③ジュニーニョ・ベルナンブカーノ/ブラジル

(日本戦の無回転ミドル)

日本の(中田英の)心を折った魔球。プレースキックだけでなく、流れのなかでもあのキックが出来る技術の高さに感心してしまった。

④グロッソ/イタリア

(ドイツ戦の決勝ゴール)

ピルロの、引きつけるだけ引きつけてからのラストパスを、ワンタッチでしっかりとコースをついた見事なゴールだった。

⑤バカリ・コネ/コートジボワール

(オランダ戦の高速ドリブル→ミドル)

あのスピードでドリブルで突っかけていき、あのコースへあのスピードで突き刺してしまうとは・・・。アフリカパワー恐るべし。

⑥N・ゴメス/ポルトガル

(3位決定戦でのダイビングヘッド)

フィーゴの完璧なクロスを、完璧なダイビングヘッドで決めてみせた。絶好調だったカーンも成す術なしの見事なコンビネーションだった。

□気に入った選手

ウィルヘルムション/スウェーデン、バルネッタ/スイス、ロシツキー/チェコ、グロッソ/イタリア、セスク/スペイン、C・ロナウド/ポルトガル、ポドルスキー/ドイツ

うーん、やっぱり攻撃の選手に目がいってしまう・・・。メキシコの選手を選ぼうとしたんだけど、途中出場で流れを変えたシーニャくらいしか名前が浮かばない。あと、監督と。決して個々の印象が薄かったわけじゃない。本当にみんなが同じくらい素晴らしかったんだと思う(フォローになってない?)。昔のウーゴ・サンチェスやカニばさみドリブルのブランコのように、すぐに思い浮かぶような選手が出てくれば、メキシコももっと強くなるってことだろう。

バルネッタ、セスク、C・ロナウド、ポドルスキーは、4年後、8年後まで楽しめそう。ウィルヘルムション、ロシツキーは試合により波があったけど、いい時は本当にキレキレの素晴らしいプレーぶりだった。230756_1これからは、チームを引っ張っていかなければいけない立場になる。 長い手足が印象的だったグロッソは、若く見えるけど、もう30歳近いんだ。でも、イタリアの選手はタフそうだから、まだまだこれから?とりあえず、唐突だけど僕の心の中のMVPはグロッソに決定。

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2006/07/10

ドイツワールドカップ観戦記【25】~ジダンの悲しいラストゲーム~

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イタリアとフランスによる決勝戦。 試合は、フランス優勢で進んでいった。開始早々、ややラッキーといえるPKを獲得すると、ジダンがチップ気味に蹴りこんであっさりと先制。あの場面でああいうキックを選択するとは・・・。ジダン本領発揮。マケレレ、テュラムがトッティに仕事をさせず、サイドの局面でも激しいチェックでザンブロッタ、グロッソ、ペロッタらを自由にさせない。イタリアは、ピルロのセットプレーに活路を見出すしかない状態。ところが、このセットプレーが威力抜群。チェコ戦を思い出させる、マテラッツィの打点の高いヘディングであっという間に同点。その後も、フランスのマークのズレをついてトーニがヘディング。ピルロが直接狙うなど、フランスをヒヤリとさせる。しかし、なかなか流れをつかめないイタリア。リッピ監督は人とフォーメーションを変えて、フランスの守備を崩そうと試みるが、思うようにならない。逆にフランスは、アンリの個人技やリベリーのスピードでチャンスを作るが、最後のところでカンナバーロ、ブッフォンが食い止める。フランスのほうがゴールの予感を漂わせていた延長前半、サニョルから、20060710_2062_450_1  前日のフィーゴを思わせるようなクロスがジダンに届けられたが、渾身のヘディングシュートはブッフォンがファインセーブ。ジダン悔しそう。これが決まっていれば、あの悲しいシーンは起きなかったのに・・・。20060710_2070_450延長後半、マテラッツィと口論になったジダンは、ついカッとなってマテラッツィの胸板にヘッドバット。自身最後の試合は不本意な形で突然終わってしまった。ドメネク監督と言葉を交わすこともなく、 うつむき加減で、輝くワールドカップの横を通り過ぎて行ったジダン。いろいろと思うことはあるけど、とにかく残念の一言だ。その後イタリアは、相手が10人になったにもかかわらず完全に攻撃を放棄。PK戦に持ち込む作戦。フランス攻撃陣は何とか攻めようとするが、疲労で体が動かない。逆にバルテズはあまり急ぐそぶりを見せないなど、チグハグな状態のまま120分間が終了。PK戦は、トレゼゲが外してしまったフランスに対し、全員が成功させたイタリアが、スペイン大会以来、24年ぶりにワールドカップにキスすることとなった。カーンとフィーゴのように、ジダンがブッフォンやカンナバーロと笑顔で健闘を称えあうシーンが見たかった。。。

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2006/07/09

ドイツワールドカップ観戦記【24】~DANKE JURGEN~

3位決定戦。ドイツはカーンが先発。しかしバラックが欠場、4バックも今大会初の組み合わせで、ちょっと心配な立ち上がり。いきなりカーンがノヴォトニーを威嚇(?)しているし。ポルトガルは、デコが散らして、C・ロナウド、シモンが仕掛け、パウレタがシュートを放つ。しかし、カーンが1ヶ月のブランクを感じさせない素晴らしいセーブを見せ、ゴールを許さない。ドイツもディフェンス陣が落ち着いてくるとともに、クローゼを中心にワンタッチでのパス回しでペースをつかむ。セットプレーなどでチャンスが何回かあったが、リカルドも負けじと好守を連発。主審の上川氏もあまりうるさく感じられないクリーンで見ごたえのあるゲームとなった。後半はシュバインシュタイガーの一人舞台となった。思い切りのいいミドル2発と、オウンゴールを誘う低い軌道のFKで実質ハットトリックのような活躍。ペティートがついてなかった。ミドルは2発とも寄せが甘かった気がするし、オウンゴールも彼によるもの。でもここは、シュバインシュタイガーを褒めるべきか。ケールも良かった。守備だけでなく攻撃面でも利いていた。イタリア戦ではフリングスの、このゲームではバラックの代役として、期待以上の働きぶりだったと思う。

ポルトガルはN・ゴメス(もっとたくさん見たかった)、フィーゴを投入し反撃を試みる。スピード、コースとも完璧なフィーゴのクロスをN・ゴメスがダイビングヘッドで決めたゴールは、CGで描いたような見事なものだった。今大会、ミドルシュートによる得点が特徴だったけど、一方では、あのようなクロスをきれいに合わせるといった形が、セットプレーを除くとあまり見られなかった。オドンコール→ノイビル、ちょっと形は違うけどベッカム→クラウチ、あとはサウジアラビアの?→カフタニのゴールくらいじゃないだろうか(あとグリゲラ→コレルもありました)こちらのブログで、このゴール(特にフィーゴのクロス)についてまさに「その通り!」と思うことが書いてあった。最後の最後でフィーゴの素晴らしいプレーが見れてよかった。今回も、3位決定戦は素晴らしいゲームとなった。

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それにしても、ドイツの快進撃には驚いた。予想では、決勝トーナメントの1回戦でイングランドかスウェーデンに敗れることになっていたのだが、ラーム、ポドルスキー、シュバインシュタイガーら若い選手と、レーマン、シュナイダー、バラック、クローゼといった実績のある選手がかみ合い勢いに乗った。これまでのドイツ(西ドイツ時代も含む)というと、強いけど面白みに欠けるといったイメージがあったけど、今回のチームは、メキシコやアルゼンチン、ブラジルほどの技巧はないし、ちょっと危なっかしいところもあるけど、スピーディーなワンタッチでのパス回しを武器に、常に攻撃的な姿勢で戦っていた。ドイツ絡みの試合は見ていて楽しい試合が多かったと思う。

カーン、フィーゴ、パウレタ、ジダン、ベッカム、ネドヴェド、そして多分トッティ、デルピエロ、ロナウド、そうそうたる選手たちにとって、今大会が最後のワールドカップになる。1152398759彼らがプレーしてきたこの10数年間というのは、自分にとっても一番よくサッカーを見てきた時期でもあり、大きな節目のように感じられる。ちょっと寂しい気もするけど、 カーンとフィーゴの抱擁を見ていると、気の済むまでやったんだろうなという充実感のようなものも感じられて、すがすがしい気持ちにもなった。

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いよいよ今夜はジダンの登場だ。彼にとっては本当に最後の試合になる。そのプレーをじっくりと楽しみたいと思う。『明日のジョー』の最終回、ホセ・メンドーサ戦で、矢吹丈が次々と必殺技を繰り出したように、流れなんか無視して構わないので、マルセイユルーレットでぐるんぐるん回っちゃって下さい!!

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2006/07/06

ドイツワールドカップ観戦記【23】~PUMAとadidasが残った~

1895064151 ポルトガルとフランスの準決勝。一番盛り上がったのは後半のC・ロナウドのFKの場面だった。ものすごいドライブのかかったシュートに、バルテズは思わずレシーブで返すのが精一杯。目の前に来たチャンスボールをフィーゴがヘッドで押し込もうとしたが、わずかにクロスバーの上に外れていった。今大会の特徴はミドルシュートが多いことだが、このFKが直接決まっていれば、距離といい、ボールの軌道といい、間違いなく僕個人の選ぶベストゴール(ミドルシュート部門)のトップになっていただろう。ちなみに今のところ、Oasis_3_1 ミドル部門のトップは ジュニーニョ・ベルナンブカーノが日本戦で決めたやつだ(一番無回転だったから)。2人、3人引き連れてのドリブル突破、ドリブルからの強烈なシュート(右でも左でも打てる)、 正確なクロス、意外性のあるヒールパスやラボーナ・・・、C・ロナウドは本当に見ていて楽しい選手だ。せっかく3人も引き付けているのだから、周りも含めて次のプレーを工夫すれば、もう少しフランスを困らせることも出来たんじゃないかとは思うけど、きっとフランスがそれをさせない、良い守りを見せていたのでしょう。

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とうとうフランスは決勝までたどり着いた。 ワールドカップが始まる前に、フットサルチームで優勝国当てのアンケートがあって、フランス優勝と予想していたけど、大会序盤のモタモタぶりを見せられると、まさかここまで来るとは想像出来なかった。グループリーグを逆転で突破し、スペインにも逆転で勝利してチームに勢いと自信がついたようだ。ディフェンス陣の組織力がよみがえり、ジダンの調子が上がってきたことで、ゲームの進め方に迷いがなくなってきた。

かつての華麗な攻撃サッカーから、現実的で手堅いサッカーにシフトしたフランスと、伝統の堅守をベースにしながらも、見ていて楽しい攻撃的スタイルで今大会を戦うイタリア。数年前とはイメージが入れ替わってしまった両国がぶつかる決勝は、どんな結末が待っているのだろうか??

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2006/07/05

ドイツワールドカップ観戦記【22】~~先発全員得点?

ドイツとイタリアの対戦。これは、初めて見たスペインワールドカップの決勝と同じカードだ。あのときは、戦前有利といわれていたドイツをイタリアが一瞬の隙と鮮やかなカウンターで退け、3回目の優勝を飾ったのだった。右サイドを疾走するコンティと、2点目を決めた後のタルデリの歓喜の表情が思い出される。この時のイタリアの1次リーグの成績は確か3引分け。同じく3引分けだったカメルーンを総得点で上回りやっとのことで2次リーグへと進出。その後は、まだ若かったマラドーナのいたアルゼンチンと、ジーコ、ソクラテス、トニーニョ・セレーゾ、ファルカンの黄金の中盤を擁するブラジルを下し、一気に優勝まで突っ走った。ワールドカップを勝つには、常にいい状態である必要はないということを、なんとなく思ったものだった。

24年後の対戦は、下馬評ではイタリアが有利。地元のドイツがどこまでやれるか、といったところだろうか。立ち上がりからスピーディな展開。イタリアはペロッタが再三前線に飛び出し、レーマンを脅かす。両サイドバック(230756 特にグロッソ)も相変わらず元気だ。もう少し慎重にいくのかと思っていたが、今大会のイタリアは本当に攻撃的だ。ピルロも効いている。チャンピオンズリーグの終盤あたりでは、ちょっと疲れているように思えたけど、すっかり調子を取り戻し、この1ヶ月間はいい状態をキープしている。ドイツも悪くない。バラック、ボロウスキー、クローゼがいい動きでイタリアのチェックを交わして、ゴール前までボールを運んでいく。しかし、そこにはカンナバーロが立ちふさがっている(その後ろにはブッフォンもいるし)。カンナバーロが目立つということは、イタリアにとってはあまりいいことではない。出来ればその前に攻撃の芽を摘み取りたいところ。ところが、このカンナバーロが強い。3748940608_1 クリンスマン監督のいつも以上に大きなアクションが示すように、ドイツもチャンスは作っていた。ゲームを支配していたのはイタリアだが、延長に入るまでは決定機はドイツの方が多かったように思う。

延長戦は、もう互いに攻め合いといった感じ。前半はイタリアが押し気味だったけど、後半になるとドイツも盛り返す。どちらも点が入ってもおかしくないシーンを作っていくが、最後に決めたのはグロッソ。CKからの流れで、右サイドペナルティエリア内で受けたピルロからの縦パスを、3908012996 ワンタッチでシュート。左足のインフロントに掛かったボールは見事な軌道を描いてネットを揺すった。その直後、デルピエロも得意の角度からゴール。とどめを刺した。ピルロ、イアキンタ、ジラルディーノ、マテラッツィ、インザーギ、トッティ、ザンブロッタ、トニ、トニ、グロッソ、デルピエロ。今大会ここまでイタリアは11ゴール中、実に10人もの選手が得点を決めている。高校サッカー風にいうと毎試合日替わりヒーロー誕生。トニ、ジラルディーノという点取り屋がいるというのに、リッピ監督としたら思わぬ誤算といったところだろうか。サッカーというのは本当に何が起こるかわからない。どこかの国はフォワードの決定力がないことが度々問題にされる。そりゃ、絶対的なエースがいたほうが心強いけど、チームで点を取れば、ワールドカップのファイナリストになれるのだ。次のヒーローは順番からすると、ディフェンスを支えたカンナバーロか、献身的な動きで攻撃を活性化させているペロッタあたりになるだろうか(カモラネージ、ガットゥーゾも忘れちゃいけない)。先発全員安打ならぬ先発全員得点の期待が高まる(ちょっと無理矢理か)。フランスがくればフランス応援するけど・・・。

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ドイツは中盤の底のフリングスが出場停止だったけど、代わりに入ったケールは善戦していて、その不在を感じさせなかったと思う。ほんの少しだけど、イタリアのほうが実力、経験とも上だったという感じだ。若い選手たちのイケイケなプレーぶりが印象的だった今大会のホスト国は、昔と違ってなんだか憎みきれない、逆にちょっと応援したくなってくるチームだった。

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2006/07/03

ドイツワールドカップ観戦記【21】~フランスが勝った!~

ここまで内容がいまいちで、事故でも起きない限り点が入りそうにないと思っていたイングランドだが、この日はいつもよりもパスの回りがスムーズで、点が入りそうな気配。ベッカムに代わって入ったレノンは、回数は少なかったが、ペナルティエリアの中までドリブルを仕掛けていき、アクセントをつける。ランパードのFKのこぼれ球に詰めたシーンは惜しかった。11人のままで戦えていれば、勝ち負けはともかく、ゴールを奪うことはできたんじゃないかと思うと残念だ。ハーグリーブスが素晴らしかった。特にルーニーが退場になって(あの判定は厳しかった)からは一人で二役も三役もしていた。守備的な役割にもかかわらず、何度も前線まで上がっていき、チャンスを作ったかと思うと、いつの間にかオリジナルのポジションに戻っていて、激しいチェックで相手の攻撃の芽をつんでいく。ものすごい運動量。よくあれだけ動けるものだと感動しながら見ていた。ベッカムの寂しそうな表情と、テリーの悔し泣きが印象に残った。

C・ロナウドは、サイドからドリブルで突っかかっていき鋭いシュートを連発。見ていて気持ちがいい。途中、シモンが入ってから真ん中でプレーしている時間があったけど、真ん中よりもサイドにいるほうがプレーしやすそう。右サイドバックのミゲルも頑張っていた。120分間休むことなく右サイドを上下し、とにかくよく画面に出てきていた。攻撃的なので、ハーグリーブスに何度か裏のスペースを使われていたけど、魅力的なプレースタイルだ。これまでポルトガルは、見ていて楽しいサッカーをする反面、肝心なところで勝てないと言われていたけど、この大会は実にしぶとく勝ち残っている。このゲームでは、一人多い状況にもかかわらず、攻撃が単調になってしまったのと、イングランドが守りを固めたために、攻めきれなかったけど、結局PK戦をモノにしてしまった。勝負強いチームに生まれ変わっている。

準々決勝まで見て、「ブラジルは、まだ本気じゃない。」などど知ったかぶりをしていたけど、どうやらあれでけっこう本気だったようだ。結局、日本戦が一番いい出来だった感じだ。今にして思うと、ロナウド起用については、この日本戦がキーポイントだったような気がする。あそこで2ゴール決めたことで、パレイラ監督は最後までロナウド中心で行こうと決断したのではないだろうか。日本がもっとピリッとていたら、ロナウドの出番は限られたものになっていたかも。アドリアーノとロビーニョの組み合わせになっていたかも知れない(結果がどうなったかは別として)。ロナウジーニョは、普段バルセロナで見せているようなプレーが全く出来なかったのが残念だった。後半最後のFKもあまり入る気がしなかった。ロベカルが蹴ったほうがバルテズも怖かったのではないだろうか。

フランスはやることがはっきりしていた。強固なCBとボランチを中心にしっかりと守り、奪ったボールはジダンを経由して、アンリ、マルーダ、リベリーへとつないでいく。ジダンが調子を上げてきている。ディフェンスをあざ笑うかのようなタッチを見せたり、ドリブルも切れ味があってブラジルはジダンを止められない。他の選手も良く動きブラジルを自由にさせなかった。後半、ついにジダンのFK→アンリで先制。終盤はブラジルの猛攻を受けるが、最後までディフェンスが崩れず、ブラジルのミスもあって逃げ切ってしまった。この試合を見る限り、ブラジルよりもフランスの力が上だったと思う。アンリが交代で下がったとき、ドメネク監督と握手をしていた。監督と選手の関係が気になっていただけに、ちょっとホッとするシーンだった。

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2006/07/01

ドイツワールドカップ観戦記【20】~ドイツ来ちゃいました!~

K-1やってたので、仮眠取れないままドイツ-アルゼンチン戦を観戦。序盤から厳しいチェックの応酬でどうなることかと思っていたら、その後は静かな展開に。決勝戦のような重苦しい雰囲気。アルゼンチンはリケルメ中心にボールを回すがチャレンジするようなパスは少ない。安全第一といった感じ。テベスは、人に強いしキープ出来るんだけど、彼が持つと攻撃が遅くなる印象。ドイツは、厳しいチェックでアルゼンチンのボールを奪うと速い攻撃を仕掛けようとするんだけど、ミスが多くシュートまで持ち込めない。シュートはバラックのヘディング1本くらいだったと思う。後半開始早々、リケルメのCKをアジャラが体を投げ出しながらのヘディングでゴール。空中戦はドイツが圧倒的有利だと思っていたので、このヘディングにはびっくり。体が宙に浮いてた。ディフェンスの局面でも、エインセ、コロッチーニもドイツに負けてなかった。ここから試合は少しずつ激しくなっていく。アルゼンチンのゴールキーパー、アボンダンシェリが負傷で交代するというアクシデント。ペケルマン監督は、交代枠をひとつ失ってしまうとともに守備的な戦いにシフトする。リケルメ→カンビアッソ、クレスポ→クルス。解説の反町氏は、クルスは相手セットプレイの時の守りにも生きるようなことを言っていたが・・・。その直後、左サイド、バラックからのクロスを途中出場のボロウスキがヘッドでそらしたところに、クローゼが頭から飛び込み同点。クローゼのヘディングのボールは本当に力強い。足がつりかけていたので、前方宙返りは封印。はっきり言って、監督の采配が裏目に出てしまったアルゼンチン。これが日本ならズルズルと失速していくところだが、南米の雄はリケルメが不在ながらも、全員が動いてチャンスを作り出す。でも、あと一歩で決められない。ここでメッシが使えれば、と思わせるがそれを言っても仕方ない。ドイツのほうは、バラックが足を痛めてしまったが、交代枠を使い切っていて代えられない。何度もピッチ脇で治療をしながらも、なんとかプレーを続ける。結局、延長でもスコアは動かず、PK戦での決着となった。アルゼンチンは勝てる試合だったと思う。交代も含めてちょっと悔いが残る敗戦だった。セルビア・モンテネグロ戦での輝きは、今大会のハイライトのひとつだった。ドイツはとうとうベスト4まで来てしまった。日本と2-2で引き分けていたドイツが・・・。コスタリカに何度もディフェンスラインを破られたドイツが・・・。改めてふたつの教訓を得た。親善試合と公式試合は全くの別物であるということ。ワールドカップというのは1ヶ月間の長い戦いであるということ。PK戦の前に、レーマンはカーンと言葉を交わした後、グローブで目を拭っていたような気がしたけどどうした?泣いた??あれは、いいシーンだった。カーンは何て言ったのだろう?

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イタリアとウクライナの試合は、イタリアが3-0で勝利。試合はドイツ-アルゼンチン戦とは違って、立ち上がりからスピーディな展開。特にイタリアの動きがいい。早い時間にトッティとのワンツーで抜け出したザンブロッタがミドルシュートを決めた。これで余裕が出たイタリア、前半は全く危なげなかった。後半はウクライナが勢いよく攻めに出て行く。サイドからの攻撃が形になっていき何度もイタリアディフェンス陣を慌てさせるが、ブッフォン、ザンブロッタ、クロスバーに阻まれゴールを奪えない。その後、イタリアはトニが2ゴールをあげ試合を決めた。この日のイタリアは素晴らしい内容だったが、ラッキーな面もあった。後半立ち上がりはウクライナに猛攻を仕掛けられて、ゴールされてもおかしくないところだった。それをしのいだ直後にトニのゴールが決まるという間の良さ。こういうのを試合巧者というのだろうが、運が良かったともいえると思う。初出場でベスト8のウクライナ、運もなかったし、スコアほどの差はなかったとは思うけど、イタリアに勝つには経験や力が足りなかったと思う。

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2006/06/29

ドイツワールドカップ観戦記【19】~ロナウドW杯通算15ゴール!~

ブラジルとガーナの対戦。ガーナの浅いバックラインをついて、ロナウドがあっさりと先制ゴール。シザースでゴールキーパーをかわすところはさすが・・・。最後ディフェンダーに詰め寄られてちょっと慌てているところもご愛嬌・・・。これでロナウドは、ワールドカップ通算15ゴール目。なんだかんだ言ってもすごい記録だ。その後のブラジルは、省エネモードになってしまいあまりピリッとしない。日本戦の時のほうが動きが良かったと思う。画面で見てると、エメルソンのポジション修正する時の動き方がなんか変。うまく例えられないけど、サッカー下手な人がウロウロしてる感じ。でも利いてるんだろうな、きっと。ガーナはショートパス中心に攻めていくが、せっせとつないで作ったチャンスをあまりにも雑なフィニッシュで無駄にしていく。CKからのメンサーのヘディングシュートだけは惜しかった。ジダがかろうじて足に当てた(当たった)。ガーナのフィニッシュの悪さに助けられているブラジルは相変わらず動きが良くならない。そのうち、またも浅いバックラインの裏をつき、カウンターからアドリアーノが2点目(オフサイドだけど)。後半もガーナがせっせとパスをつなぎ、シュートを外し、ブラジルは浅いラインを巧についてゼ・ロベルトがダメ押しの3点目を奪って終了。まだまだ全開ではなさそうなブラジル。シュート11本中、枠内が10本という数字は確かにすごいけど、このゲームはガーナに助けられた感が強い。本気出すのはこれからでしょうか。とにかく、ガーナの巧みなパス回し(&雑なシュート)が印象に残った一戦だった。

スペインとフランスの試合は、フランスが逆転で勝利。リベリーの同点ゴールはブラジル-ガーナ戦のように2列目の追い越すプレーが決め手だった。ジダン→アンリのホットラインはこのゲームでも不発。果たして、完成形を目にすることは出来るのか?スペインは相変わらず肝心なところで勝てない。いいチームだと思うんだけど・・・。ヨーロッパのメキシコといった感じでしょうか。ボールは回るけどなぜか点が入らない。ロスタイムのジダンのゴールとホアキンのパンツの紐が印象に残った。

そうそうたるチームが勝ち残った。ウルグアイ以外の歴代優勝国が全て揃っている。いつまで続くのかと思っていたワールドカップだが、あと8試合を残すのみとなってしまった。ここで今後を予想(というか希望)してみる。太字が勝ち残り

ドイツ-アルゼンチン

(1990年イタリア大会決勝と同じ組み合わせ。コリアンダーさん、ゴメンなさい。この対戦は一番予想が難しい。)

イタリア-ウクライナ

(イタリアは、ネスタ、マテラッツィ不在でCBに不安が残るが、攻撃陣がきっちり仕事をしそう。)

イングランド-ポルトガル

(イングランドはしっかりとしたパターンを持っている。ポルトガルは疲労とデコ不在が影響しそう。)

ブラジル-フランス

(1998年フランス大会決勝と同じ組み合わせ。穴狙い、ジダンがハッピーエンドで終わって欲しい。)

決勝はアルゼンチン-フランスで、フランスの優勝希望!!

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2006/06/27

ドイツワールドカップ観戦記【18】~ひと味違うイタリア~

ポルトガルとオランダ。ともに、両サイドに強力なウイングプレイヤーを置く、似たもの同士の一戦。ここまでの戦いぶりから、ウイングは互角、中盤はポルトガルが、トップはオランダがやや上かなと思っていた。ポルトガルの得点は、20060626_1477_450_1 サイドからトップに当てて、走りこんできた3人目がシュートという流れるような展開からのゴールだった。マニシェが落ち着いていた。シュートの前の溜めが見事だった。それにしても荒れた試合だった。ブラルーズのC・ロナウドへのファールは、退場にしてもいいくらいのひどいものだったと思う。逆に、2枚目のイエローとなったフィーゴへのひじ打ちは、ちょっとかわいそうな気もしたが。。。コスティーニャとデコの退場は、次のイングランド戦を考えるとポルトガルにとっては痛い。どうでもよさそうな所でのハンド、どうでもよさそうなところでの遅延行為という、らしくない反則。二人とも1枚イエローをもらっているのに、よっぽど頭に血が上っていたのだろう。最後にはファンブロンクホルストも退場になってしまったが、その後デコと二人でバルサ同士で並んで座って、何やら話し込んでいる(審判の文句を言ってた?)様子が映ったが、殺伐とした雰囲気が少しだけ和らいだ気がした。

イタリアとオーストラリアの一戦。テレビ画面を見て、あぁ、ここはカイザースラウテルンだなとわかった。この日も暑そうだった。後半開始早々、マテラッツィがブレシアーノを引っ掛けて、一発退場。僕が知る限り、こうなった時のイタリアはひたすら守ってカウンター狙いで、場合によっては、PK戦で勝負を決めてもいいくらいのやり方をするものだと思っていた。ところが、守りに軸足を置きながらも、トッティを入れて攻撃の姿勢を見せる。そして、後半ロスタイムに入ってから、リスク覚悟で最後の攻撃を仕掛け、429917080PKをもぎ取ってしまった。微妙な判定だったが、あそこで相手を抜きにかかったグロッソが素晴らしかった。ニールにとってはなんともやりきれない判定。少ない人数でのカウンターだけではなく、ここという時には人数をかけて攻める。今年のイタリアはひと味違う。トッティは、 見事にPKを決めた後、歓喜の親指おしゃぶりポーズ。スペインのビジャやメキシコのマルケスもやってたけど、なぜか今大会流行ってる。でもソリンがやっても似合わなさそう。

スイスは残念だった。無敗、無失点のまま今大会を去ることになってしまった。飛び抜けた選手はいないけど、とても良くまとまった、真面目なチームだった。もう少し見たかった。ユーロ2008に向けて、PKの練習もしとかないとダメですね。

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ドイツワールドカップ観戦記【17】~やっぱりメキシコが好き~

1次リーグが終わったと思ったら、決勝トーナメントもあれよあれよという間に4試合消化。早い、早いよ~。

ドイツとスウェーデンの対戦。ドイツ強い!スウェーデン贔屓で見ていたんだけど、この日のドイツは、憎たらしいほど強かった西ドイツ時代を思い出させた。このような試合を続けられれば、優勝も夢ではないのではと思わせた(スウェーデンがいまいちだったせいもあるが)。クローゼがかなりきてる。1点目のシーン、ワンタッチでディフェンダーの間をすり抜けた動きは、素晴らしいものだった。イメージを改めなければ・・・。2点目もアシストして只今絶好調だ。ロンドンブーツの亮と髪型がかぶっている(?)196789 ポドルスキーとのコンビも良くなってきて、ほんとに怖い2トップだ。ディフェンスも激しいプレスでスウェーデンを自由にさせない。後半バテるんじゃないかと思ったが、相手が10人になったこともあり、余裕の勝利だった。バラックがミドルを打ちまくっていたが、決まらなかったとはいえ、全部そこそこ際どいところに行っていたのがすごい。スウェーデンはラーションのPK失敗とイブラヒモビッチが本調子でなかったことも大きかった。途中出場してきたお気に入りのウィルヘルムションも存在感を発揮することが出来なかった。

アルゼンチンとメキシコの一戦。序盤から、メキシコのボールの動かし方がいいなーと思っていたが、FKからマルケスのゴールあっさりと先制。アルゼンチンもすぐにCKから追いつく。アルゼンチンのパス回しもいいが、前半はどう見てもメキシコが上だった。どんな相手にも、同じようなサッカーが出来るメキシコに改めて感心してしまった。今大会ここまでは、パスは回るけどゴール前の怖さ(決定力)が足りないと思っていたが、ボルヘッティが復帰し、ゴール前でもそこそこアルゼンチンをヒヤッとさせていた。ところが、アクシデントによりリケルメをマークしていたパルド→トラド、左サイドで初先発のグアルダード→ピネダという交代をせざるを得ず、戦術的な選手交代がモラレス→ジーニャしか出来なかったことが響き、徐々にアルゼンチンに主導権を握られてしまった。時折、ジーニャが絡みチャンスを作るが、69693疲れが出たせいか最後のところで精度を欠いてしまった。ラボルぺ監督としては、 前の選手をもっとフレッシュな状態にしたかったと思うけど、交代枠が足りなかった。でも、どんなにシュートが決まらなくても、ベスト16あたりが限界と言われても、一生懸命走り、パスをつなぎまくるメキシコはやっぱり好チームだ。このゲームではそれまであまり目立っていなかったマキシ・ロドリゲス。試合を決めたボレーシュートは見事だった。アルゼンチンはビューティフルなゴールが多い。

イングランドはベッカムのFK一発で勝利。正直、やっているサッカーにはあまり魅力を感じない。だけどこのチームは、ツボにはまれば簡単にゴールをこじ開けてしまう飛び道具をいろいろと持っている。ベッカムのFK、クラウチ、テリー、リオの高さ、ジェラード、ランパードのミドルシュート、ルーニーの突破など。それはそれで十分見ごたえがある。どんなにボールを持たれていても、中盤の組み立てが不恰好でも、ロングボールが多くても、いつそれらが飛び出すのかと思って見ていると案外退屈しない。

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